尊敬する写真家稲越功一氏が先月25日に亡くなった。68歳。
商業写真にも風景写真、人物写真にも共通の感性が漂っていた。
知性の感じられる張り詰めた緊張感や、大型ホルンの響きのような包み込む意思のある写真作品が大好きである。
自分の感性にゆるみが出来たときにいつも戻る場所でもあった。
稲越氏は写真だけでなく、文章力も非常に高く感性の共通性があった。
以前、銀座のハウス・オブ・シセイドウの1階で写真展「女たちの銀座」が開催され、そこに書かれていた文章に感動したことがあった。
写真集もたくさん出版されているが、最後の写真集「まだ見ぬ中国」が今、手元にある。
訃報を知ってから銀座のLeicaフォトサロンで開催されていた写真展「芭蕉景」に駆けつけた。
http://www.leica-camera.co.jp/culture/galeries/gallery_tokyo/
モノクロの芭蕉の世界が品良く展示されていた。この「芭蕉景」の写真集は無かったのだが、何冊かの写真集が販売されていた。オマージュの意味もあってこの写真集「まだ見ぬ中国」を購入。この中には、浙江省や雲南省の近代文明に毒されていない中国の原風景が見事に切り出されている。しばらくは机上の一番手に取りやすい場所に立てかけておきたい。
少し驚いたのは、稲越氏のサイトで「芭蕉景」の説明文の中に、自信の死を予言している夢を見た部分が書かれている。何か自身でも感じていたことがあったのだろうか、最後まで感性がとぎすまされていた結果なのだろうか?
http://koichi-inakoshi.com/inakosiweb2009ww/00home/ina09home01.html
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